
きれいに掃除し過ぎないでね…。
「ハムスターのケージ掃除って、どこまでやればいいの?」「ニオイが気になるけど、毎日全部掃除してもストレスにならない?」
飼育歴8年以上の経験者が教えます。ハムスターはきれい好きですが、ニオイをすべて消してしまうと、かえって強いストレスを与えてしまうことがあります。
この記事では、ニオイや病気の原因を効果的に防ぎつつ、ハムスターに負担をかけないための掃除の「タイミング」と「正しい手順」を徹底解説します。
毎日3分のデイリー掃除から月1回の大掃除まで、あなたの小さな家族が快適に過ごせる環境を保つためのコツがわかります。
記事内の随所に、経験者だからこそ知る実践的なポイントも載せています。
ニオイ対策と病気予防のコツ
おしっこや食べ残しを放置すると、ニオイや雑菌、皮膚病の原因になってしまう可能性があります。
ハムスターが快適に過ごせるケージ環境を保つための掃除のタイミングと正しい手順をまとめました。
1. 掃除の基本原則:やりすぎはストレスになる!
ハムスターは自分のニオイが付いた場所が「安全な縄張り」だと認識します。
ニオイをすべて消してしまうと、ハムスターに強いストレスを与えてしまうため、掃除は「必要な場所だけ」「適切な頻度」で行うことが大切です。
掃除の頻度 | 目的 | 対象場所 |
毎日(デイリー) | 衛生維持、ニオイの原因除去 | トイレ、給水器、食器、給餌場所 |
週に1~2回(ウィークリー) | 衛生維持、床材の入れ替え | 汚れた床材の一部、回し車 |
月1回(マンスリー) | 大掃除、雑菌の繁殖予防 | ケージ全体、巣箱内部の確認 |
- 掃除の頻度に関係なく、時間をかけすぎるとハムスターに強いストレスがかかります。
- 慣れないうちは時間がかかるかもしれませんが、素早く掃除を終わらせることを意識しましょう。
- 巣材や床材をすべて交換するとパニックになるため、ハムスターのニオイが少し残る部分はあえて残してあげてください。
2. 毎日のお世話:3分でできるデイリー掃除
毎日のお世話のついでに、最も汚れる場所をサッと掃除しましょう。
① トイレの砂を交換する
ハムスターは賢く、決まった場所で排泄する習性があります(種類によります)。
- 手順:
- 固まったおしっこの塊や、汚れたトイレ砂をスコップで取り除き、新しいトイレ砂を足します。
② 給水器・食器の洗浄
雑菌の繁殖を防ぐため、毎日洗浄しましょう。
- 給水器:
- 飲み水を全量交換し、ボトル内部を専用ブラシで洗います。ノズル内の水漏れがないか確認しましょう。
- 食器:
- 食べ残したペレットや、水分が残った生野菜などを取り除き、食器を洗って完全に乾燥させます。
③ 食べ残しやフンの除去
日々の健康チェックや体重測定、触れ合い中など、ハムスターがケージ外にいる間に済ませてしまいましょう。
- 手順:
- 巣箱の外や、床材の表面に残ったフン(コロコロした乾燥フンはニオイが少ない)や、腐敗しやすい生野菜の食べ残しなどを取り除きます。
- トイレのニオイがケージのニオイの主な原因です。この作業を毎日行うだけで、ニオイが大幅に軽減されます。
- 腐敗しやすい生野菜は、頬袋から出して巣箱の隅などに隠されていることが多いので、見逃さないようケージ全体をしっかり確認しましょう。
3. 週に一度のお手入れ:ウィークリー掃除
週末など、時間がある時にまとめて行う掃除です。
① 汚れた床材の一部交換
日々の健康チェックや体重測定、触れ合い中など、ハムスターがケージ外にいる間に済ませてしまいましょう。
- 手順:
- トイレ以外の場所で特におしっこや水がこぼれて湿った場所があれば、その部分の床材だけを取り替えます。
- 床材をすべて交換するとハムスターが不安になるため、全体の3分の1程度に留めるか、汚れた部分のみ交換してください。
② 回し車の掃除
回し車は、ハムスターがおしっこをしながら走ることが多いため、特に汚れやすいアイテムです。
- 手順:
- 回し車を取り外し、水洗いまたはペット用の洗剤で洗浄します。洗剤を使った場合は、必ず念入りにすすぎ、完全に乾かしてからケージに戻してください。
- ハムスターは自分のニオイがなくなると不安になるため、日々の掃除を含め、すべて交換しないようにしましょう。
- 特にジャンガリアンハムスターやロボロフスキーハムスターなどのドワーフ系ハムスターは、回し車の上でおしっこをすることが多いため、汚れていたら週に一度と言わず都度拭き取るように注意しましょう。
4. 月に一度の徹底洗浄:マンスリー大掃除
月に一度は、ケージ全体を分解し、雑菌やカビの繁殖を防ぐための大掃除を行います。日光に当てて消毒するため、昼ごろまでに終わらすのがベストです。
① ハムスターの一時避難
- ハムスターを、移動用のキャリーケースや一時的な避難用ケージに移します。この時、ハムスターがパニックにならないよう、低い位置で静かに行いましょう。
② 巣箱の中身のチェックと交換
巣箱の中は、ハムスターが貯めた食べ物(貯食)でいっぱいになっていることが多いです。
- 確認:
- 貯食の中に、腐りかけの生野菜やカビが生えたものがないか確認し、あればすべて取り除きます。
- 巣材の交換:
- 巣材はハムスターが安心するニオイが付いているため、すべて交換せず、一部を残して新しい巣材と混ぜてあげると、ストレスが軽減されます。
③ ケージ本体と飼育用品の洗浄
- 手順:
- ケージ本体、給水器、餌入れ、トンネルなど、すべての飼育用品を取り出し、水洗いまたはペット用洗剤で洗浄します。
- 日光消毒の活用:
- 掃除を終えたケージを日光に当てることで、自然の力で消毒・乾燥ができます。そのため、できる限り昼ごろまでに掃除を終わらせるのがベストです。
- 注意点:
- プラスチック製品は、熱湯消毒をすると変形する可能性があるため、注意が必要です。
- 洗剤が残らないよう、徹底的にすすぎ、日光に当てて完全に乾燥させてから使用してください。
- 時間がかかる作業ですが、ハムスターのストレスにならないよう、効率よく素早く終わらせましょう。
- トイレやケージの隅などに尿石がこびりついている場合は、尿石用の洗剤を使うか、お湯に浸してふやかしてからヘラなどで擦って取りましょう。
まとめ
ハムスターの健康は、ケージの清潔さに直結します。
毎日数分のデイリー掃除を欠かさず行い、月に一度の大掃除で衛生的な環境をリセットしてあげましょう。
▽より詳しい飼育方法や、お迎えに必要な道具については、こちらの記事も参考にしてください。